#11,ウェッジ進化論、大叩きのトラウマ克服?!
全ては「56°の導入」から始まった
AIと相談し私のスコアメイクは、まずグリーン周りの守備固めから着手した。
20年前の私は、地味なウェッジ練習などそこそこに切り上げ、ロングアイアンやウッドの練習を重視していた。
練習場にいくとウッドを派手にぶっ飛ばしているゴルファーにあこがれたものだ。
「自分もあんな風にかっこよく飛ばしたい!」、まさに初心者あるあるだ。
練習場ならウッドを飛ばせばヒーローになれると思い込んでいた。
でも現実は飛ぶに越したことはないが、スコアにつながらなければ意味がない。
今回の復帰で私が目指すのは、ドライバーで300yd飛ばすことではない。
生涯続けるために地道な努力を積み重ね、ひとつでもスコアを伸ばし、安定させることが最優先だ。
その当時を振り返ると、私はこう考えていた。
「とにかく飛ばせば残りの多少の距離などどうにでもなるだろ?」
今思えばそれは大きな間違いだった。
いや当時はそれで良かった、スコアなど上がればいいかな程度で、気持ちよく飛ばすことを優先しただけだ。
ゴルフはミスをするスポーツだ、むしろミスが前提だ。
プロですら1打目を完璧に打てるわけではない。
その凄さは飛距離より、ミスをしても驚異的な技術と精神力でフォローする点にあると考えている。
つまり当時の私のゴルフ観とプロの思考では大きな開きがあった。
何もプロになりたい訳ではない、今目標とするスコアの向上をはかれば思考は自然にプロよりになるだけだ。
もちろん飛ばして楽しむことを否定するわけではないから、反論は許さない(笑)
ゴルフは人それぞれ楽しみ方があって然りで、これはあくまで私のゴルフに対する姿勢と目標設定に対する考えであることを前提に書いている。
だから、「リターンを考えている」、「これから始める」御仁は、どこぞのオッサンのつぶやき程度に流して頂きたい。
大幅に脱線したが、本題に戻る。
復帰直後の私は、過去のグリーン周りでの大叩きのネガティブな記憶が蘇る状態だった。
ウェッジの安定感不足を解消し、心理的な不安を払拭することこそが、スコアメイクにおいて最優先課題だったのだ。
Aiと一緒に選んだウェッジは、ミスに強く寛容性の高い「CFXウェッジの56°(SW)」だ。
知識の乏しいリターンゴルファー故に、ウェッジなどセットについてくるものとしか考えておらず、皆それを使っているものと思っていた。
AIは私にウェッジについての性能や用途、ドライバーなどの長距離砲以上に精度が必要な精密機器のようなものだと教えてくれた。
これによるスコアへの影響は、過去の自分が良く知っている。
今の私のフォームやスイングは、このウェッジの恩恵が非常に大きい。
初級者に優しいこのクラブは、まだ実戦こそ未経験だが、そのハイバウンスソールで心理的なザックリの恐怖を払拭し、私のグリーン周りの土台を築き上げた。
次に、CFX 48°(AW)も追加で導入し、「100ヤード圏内の基準」を確立した。
当面はこの二本体制で、全ての課題を克服するつもりだった。
極端な矯正が生んだ「不調のループ」
ウェッジの導入と並行して、私はスイングの課題に取り組んだ。その一つが「クラブを短く持つ」ことによる再現性の向上だ。
しかし、この矯正はすぐに不調のループを生んだ。
なぜ短く持ったのか?
そもそも私は、長く持つほど飛ぶと安易な考えでグリップエンド付近をにぎっていたのだ。
フォームの改善によってアイアンが不調だった時、ふとプロの動画をみて「あれ?結構短く握ってるな?」と素朴な疑問を感じた。
次の練習で、少し短めに握ってみると、驚くほどにあたり始めた。
よくよく考えれば、短く握ることで前傾が若干深くなる、これがドンピシャにはまったのだ。
しかし、アイアンはこれで良かったがウェッジの場合は短く持つことに固執しすぎた結果、アドレスが極端に窮屈になり、体幹の回転がスムーズにいかなくなった。
その結果、一時は方向性のブレ、ダフリとトップが収まらず、不調を抜け出せずにいた。
しかし、ウェッジとアイアンとは別物と考え「短く持つ」感覚(つまり前傾)は維持しつつ、グリップをアイアンよりは少し長く持つことで、軸の回転がスムーズになる最適なバランスを発見した。
この微調整が功を奏し、ボールの上下のバラつきは残るものの、狙った方向への打ち出し精度が劇的に向上したのだ。
フェアウェイウッドの安定が証明した「技術の定着」
このスイングの改善効果は、ウェッジやアイアンに留まらなかった。
そもそもユーティリティ/ハイブリッド、フェアウェイウッドは相性がよいものの、
ティーショットだけは不慣れだった。
しかし封印していた1Wを試したところ、以前とは比べ物にならないほどミート率が安定しはじめ、左右のブレが大幅に減少したのだ。
これは、ウェッジを中心にフォームの見直しをはかった結果ウッド系クラブの「払い打ち」を、力まずに体幹主導で行う技術が定着しはじめていることを意味してるのではと考えている。
優しいクラブからの「卒業」が目標
スイングの再現性を確立しはじめている今、ウェッジのCFXの「優しさ」は、生意気にも「物足りなさ」へと変わっている。
- CFX 48°、56°は、最高の土台を築いてくれた。
しかし、その高すぎる寛容性は、私が求めている「打点のわずかなズレ」や「スピンのバラつき」という、次のレベルの情報を提供してくれない。
もちろんこのCFXを自在に操れるほど私がレベルアップしているわけではなく、次のレベルに進むための課題が不足しているように思うのだ。 - パターでDFX #1を使い、2-BALL FANGでは得られなかった感性の鋭さを磨いているように、ウェッジでもより厳しいフィードバックが必要だと考えている。
当面この二本体制で行くつもりだったが、私は次のフェーズへと進みたいのだ。
感性を磨くための先生役として「RTX 」の導入を検討
私はCFX 48°と56°の間にあった8度の大きな距離の穴を埋めるクラブの導入を検討している。
このタイミングで、初級者には厳しい先生と思われる「RTX」を候補にした。
このRTXで一皮むけることができれば、より上手にCFXを使えるようになるのではと見込んでいる。
パター戦略のように、本番向けの優しいCFX、練習用の厳しい先生RTXという体制で、私のウェッジセッティングはひとつのカタチになるはずだ。
私のゴルフは110切りに向けた新しい領域へ突入していく。













