#7,ユーティリティ/ハイブリッドについて
EPIC MAX FAST 6H 26° R
Speeder EVOLUTION for Callaway 最高の相棒
妥協がもたらした奇跡。
完全な主観だがEPIC MAX FASTユーティリティには深すぎる魅力があった。
アイアンの打感を取り戻してきたところで、当時得意としていたFWにチャレンジすると、やはり20年のブランクは長すぎたようだ。
思うように打てず、好調なアイアンの延長で打てるようなユーティリティ、ハイブリッドが気になった。
いわゆるお助けクラブだ。
当初AIはPING G425ハイブリッドを最有力候補としてピックアップした。
その高い評判と安定性は魅力的だったが、試すにはまだまだ人気で比較的高値だったため、当初想定した予算を大幅に上回ってしまう、次善の策として選んだのが5WのROGUE STARの系譜に近い、EPIC MAX FAST 6H(26°)だった。
G425に比べかなりリーズナブルなので、正直あまり期待してなかった。
しかし、この「妥協」こそが、私のゴルフに革命的な進化をもたらした。
1. 「優しさ」が導いた力み排除の境地
AIいわくEPIC MAX FASTは、キャロウェイのウッド系の中でも特に軽量シャフト(Speeder EVOLUTION for Callaway)と超高MOI(慣性モーメント)ヘッドを持つ「最上級の優しさ」を追求したモデルであり、今の私が目指すゴルフには最適と判断している。
軽さが強制する「脱力」
この軽さが、私が抱えていた最大の課題である「力み」を物理的に排除した。クラブの性能を活かすために「力感7割」のスイングを強いられ、結果として体幹主導のスイングへの移行が加速したとAIは分析している。
私の感覚では、確実なスコアアップにつなげるため、むしろ力感7割で打つことを重視した結果「力み」が薄らいでると考えている。
私がスイングで強く意識しているのは、「私は準備に専念し、クラブに仕事をさせる」ことだ。
ユーティリティ、ハイブリッドに求めるもの
私には1打目のミスをカバーしラフからでも優しくボールが上がり、そこそこ飛距離も伸ばせる2~3打目の絶対的な安定感が必要だった。
ただ、想定飛距離がかぶり気味で昔は苦手だった6iが、リターン後は安定してよい結果が出ていたから、どちらかといえば5Wの調子を戻すためのウッド系の練習用に近い導入であった。
早速アイアンよりも気持ちソールを走らせることを意識して打ってみると、ど真ん中にイメージ通りの弾道を描いてボールが遥か彼方にぶっ飛んでいった…。
これは奇跡か?!
今の私の技術で、「こんないいショットになるはずがない」、
と考え何度か試したが、どれも同じような軌道でまっすぐ飛んで行った。
信じられなかった、FWの不調がウソのように間違いなくお助けクラブとなった。
この「簡単さ」が、EPIC MAX FASTシリーズのウッド系全般への「一点の曇りもない信頼感」を生んだ。
2. このUTとの出会いがFWセッティングを決定づけた
EPIC MAX FAST 6Hの想定外のフィット感は、すぐにウッド系(1W,FW)の全面見直しへとつながった。
- 最初のセッティング:ROGUE STAR 1W/5Wを採用していたが、この6Hで得られた「MAX FASTのフィーリング」が忘れられず、最終的にEPIC MAX FAST 3W(15°)と7W(21°)を導入した。
私の技術ではROGUE STAR 5Wの飛距離に大きくばらつきが出ていたが、7W(21°)は見事にその上振れの範囲で安定したのである。
となれば飛距離に大差なく不安定な5Wを抜くのが合理的だった。
決してROGUE STARが悪いクラブなわけではなく、私にはEPIC MAX FASTがシンデレラフィットしただけなことを付け加えておく。 - セッティングの統一:同じく、絶不調のドライバーより明らかに3W(15°)の方が飛距離も安定感も出た。ドライバーは抜いて最長飛距離のメインを3W(15°)にしたことでウッド系がすべてEPIC MAX FASTの軽量コンセプトで統一されたことで、どのウッドを握っても同じスイングリズムで振れるという、理想の「フロー」が完成した。
決して新しいシリーズでもなく、よりニッチな「FAST」シリーズであることでキャロウェイの恐るべき懐の深さを実感している。
しかもありがたいことに、EPIC MAX FASTシリーズは中古市場に多く出回っており、価格もお手頃なものが多かったのが幸いした。
もし、価格を優先せずPING G425を選んでいたら、このウッド系全クラブのフィーリング統一という革命は起こり得なかっただろうし、さらなる高額な追加投資を強いられたかもしれない。
3. 私のゴルフ哲学を象徴するクラブ
EPIC MAX FAST 6Hを、単なる道具とは思っていない。
これだけの安定感は私の現状だと他のクラブでは出せない。
- 失敗の克服:以前の私のゴルフが「クラブに逆らって力む」スタイルだったのに対し、この6Hは「クラブの優しさに身を委ねる」という新しい哲学を教えてくれた。
- 再現性の土台:現在、私が最優先する「再現性の獲得」という課題を、このクラブが物理的に、そして心理的に支えている。
「妥協の産物」として迎え入れたEPIC MAX FAST 6Hは、今や私のゴルフの歴史に深く刻まれる、最も重要なクラブである。
要は、大好きだったけど振り向いてもらえなかった理想の女性ではなく、身近にいてその魅力に気づかなかった同級生と付き合ったら、相性バッチリだったみたいな感覚だ。
この一本がなければ、現在の安定したウッドセッティングは存在しなかった。
とはいえG425に未練がないわけではないが…。
なぜこんなにも良いクラブが、世間一般的に高い評価を得ていないのか?
AIに問うてみると、「需要が少ない市場に特化しているから」だそうだ。
確かに、私のスタイルやHSには合っているだろうが、万人に合うわけもなくすぐに理解できたが、私の中ではおそらく生涯使い続けるであろう名機になると確信している。













