卒園・卒業 記念DVD(動画)の作り方 自主制作編
どうも、Ganyです。
いよいよ卒園・卒業シーズンがやって参りましたね、
我が家も今年は末っ子が幼稚園を卒園します。
卒園・卒業といえば記念動画を作成して配布するのも珍しくありませんが、園や学校側が手配してくれるのか、PTAなどで制作するのか、いろいろなケースが考えられますが、たとえばPTAや有志で制作しよう!
となったものの、「誰が何をするの?」「担当になったけど、どうしたらいいの?」と戸惑う親御さんも多いと思います。
ぼく自身が、今年度の自主制作版の編集・制作を担当しているので、そんな迷える子羊さんのお役に立てればと思い、記事にしてみました。
準備は最低でも1年前から
動画・DVDを制作するにしても、素材がなければ作れません。
卒園・卒業記念なら、オフィシャルな卒アル同様に入学時から動画化を想定して素材を準備しておくのがベストですが、個人のものならまだしも、学年やクラス単位で自主制作する場合、クラス替えもあったり、入学時からの素材を集約するとなると膨大なデータ量と作業量となり、担当者が心の病を患いかねず現実的ではありません。
とはいえ、卒園・卒業間際になって素材を集めるのも容易ではないので、せめて最終学年の1年分ぐらいは用意しておきたいものです。
最終学年の年度初めにはゴールを共有し、親御さんが協力して各素材を収集しておくのがベストです。
突然作ることになって素材がないんだけど…ダイジョブです!
我が家のように4人も子どもがいてなんてご家庭は、最近では珍しいと思いますが、通算して10年以上も園や学校と関わっていれば、最終目標をどこに定め、逆算していつまでに何をどうしておけばいいのかが分かりますが、初めてのお子さんだったりすると、何をどうしていいのかもわからないと思います。
この時期になって素材がないのは致命的ではありますが、最悪の場合卒業までの数日間でも、親御さんが熱い想いで足並みを揃え先生方の協力を頂ければ、立派な作品が仕上がると思いますので諦めないでくださいね。
少なからず各行事ごとに何かしら撮影しているはずですし、数日でも親御さんが一致団結すれば十分素材は集まると思います。
卒園・卒業間際の1イベントさえ実行できればなんとかなります、無理に集まらなくてもイマドキはリモートを活用するのもありだと思います。
そもそも他の親御さんの協力なしには良い作品なんて作れません、大事なことなのでもう一度書きますがポイントは親御さん達が熱い想いで足並みを揃える事です!
動画のデータ容量には注意
不慣れな方にはピンとこないかもしれませんが、例えばDVDとBlu-rayでは、収録できるデータ容量が全然違います。最近のビデオカメラなどは4k+ハイフレームレート撮影可能なタイプが主流ですが、4kで撮影した動画データは、数十分の映像でもすぐにDVDに収録可能な容量をオーバーします。
それを何本も繋げて超巨大化したデータは、そのままではDVDに収録できないので、縮小して収録(場合によりますが画質や音声が極端に劣化します)するか、収録できるサイズまでカットするしかありません。
短めの映像なら収録しきれますが画質はお世辞にも良いものではありません。
そもそもDVDに高画質動画は収録できないと思ってください、どうしても高画質で収録したいなら特殊な機材やソフトが必要になります。
Blu-rayならそれなりに高画質・高音質な動画を収録できますが、Bru-rayはDVDに比べ普及率が圧倒的に低く、Blu-rayを再生する環境が整っていないのがネックになります。
「もらったはいいけど再生できない…」
これではもらう方は、ありがたみも半減どころか怒りさえこみ上げます。
DVD前提で動画データを編集するとなると、4k動画データは極めて非効率なので、自宅用に高画質で録画する分には問題ないですが、配布を前提にするなら初めからビデオカメラを低画質録画に設定しておくことで、データの取り回しも楽になり、画質の劣化も抑えられることを意識しましょう。
権利に注意
映像作品を制作するうえで、映像と音は最も重要な要素です。
これらには様々な権利の問題がつきまといます。
著作権などの知的財産権とか、よく耳にするものの詳しい方でなければ実際のところ詳細まで把握してらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?
例えば、「その年に流行った曲をBGMに使いたい」「子ども達が夢中で遊んでいたキャラクター遊具などをクローズアップしたい」場合などは、基本何かしらの許諾なしには使用できないものと考えてください。
著作権法や商標など様々な権利が絡むものは、個人が自宅で楽しむ以外の目的では、例え無償であっても各ご家庭に配布する場合などはほぼ例外なくNGです。
逆に言えば、許諾を得られれば使用できるので、もし必要なら必ず許諾を得ておくようにしましょう。
場合によっては手続きも複雑で時間もかかるため、半年前くらいには行動を開始しないと間に合わない可能性もありますが、お金で解決するしか方法はありません(笑)
それが不可なら、著作権フリーの素材などを利用しましょう。
また、子ども達にもそれぞれ権利があるので、親権者にあたる親御さんの協力は不可欠です。
当然強要は出来ず、ひとりでもNGな子やご家庭があれば、省く(もしくはモザイク等で処理)か諦めるしかありません。
必要な機材とソフトなど
どこまで担当者レベルで制作するかによりますが、DVDを制作、配布する場合に一般的に必要となる機材をリストアップします。
※一部業者に委託する場合は除きます
- 動画制作向けPC
尺や容量にもよりますが、動画を編集するなら動画編集用のPCが必要です。一般的な低スペックのPCでも作れないことはないですが、何度もフリーズしたりエラーで先に進めなかったりで大変なストレスと苦痛を味わいます。それなりにハイスペックなPCを用意するのがベストです。最近のスマホでも簡単な動画なら作れちゃいますが、素直にPCを使うのがいいと思います。
コストが掛かりますが、家庭用のPCとはいえ年々扱うデータ量も増え要求される処理能力も高まっている時代背景があるので、自分や家族への投資と考えて思い切って購入するのもアリではないでしょうか。
ゲーミングPCはそれなりにハイスペックで映像処理能力に長けているのでオススメです。
自主制作動画の編集程度なら型落ちの品でもオフィスPCとは比較にならないほど戦力になると思います。 - 動画編集ソフト
静止画や動画を繋ぎ合わせたり、タイトルやテロップ・BGMを挿入したり、専用の編集ソフトがあると便利です。プロ用のソフトもサブスクで安価に利用できたりしますが、迷える子羊さんなら家電量販店などで市販されている安価なパッケージ製品で十分です。
無料のソフトもありますが、使い勝手が悪く迷える子羊さんにはオススメできません。 - スーパーマルチドライブ等+DVD書き出しソフト
DVDに焼いて配布する予定なら、物理的に光ディスクの読み書き可能なスーパーマルチドライブなどが必要です(←ここ重要!読めるのに書き込めない!なんで?となる方多し)。
また、製作した動画データを普通にディスクに記録するだけでは、例えばMP4(ファイル形式による)対応のデッキ以外では再生できないため、一般的なDVD-Video形式でディスクに記録する必要があります。このため書き出し用の専用ソフトが必要です。
※動画編集ソフトにDVD-Video形式での書き出し機能が付属していれば不要です。
動画編集ソフト同様無料のものや体験版なども手に入りますが、家電量販店などで購入したものの方が使いやすいと思います。
※動画編集ソフトやDVD書き出しソフトは、お使いのPCにバンドル版がインストールされている場合もあるので、この場合は不要です。 - DVD-Rディスクなどの記録メディア
当然ですが、記録して配布する媒体が必要です。 - プリンター
ラベルやディスク盤面の印刷に使います。 - ジャケット用紙、ケース
トールケースなどにジャケットを印刷して挿入するなら、ケース本体や用紙が必要です。 - クラウド環境かメール、USBメモリなどのデータ転送環境
少なからず他の親御さんや園とのデータのやり取りが必要になると思いますが、結構難儀します。
カンタンなのはUSBメモリやSDカードなどで物理的に受渡するのがカンタンですが、コロナ禍の現状を踏まえるとクラウド環境の利用がベストです。
権利はOK、素材と機材が揃ったら、あとは作るだけ!
各権利問題をクリアし、素材と機材が揃えば、あとは作るだけです!
とはいえ作品の良し悪しは、最終的に視聴者が判断します、どれだけ作り込んだ作品でも、人によっては「このシーンや演出いるの?」「(シーンの切り替わり毎の)エフェクトがうざい!」「特定の子ばかり出番が多い」など、全員が満足するような作品を作り上げるのはほぼ不可能と割り切りつつも、クレームの雨あられにならないよう、慎重に作成していきましょう。
尺には注意
データ容量の項でも触れましたが、収集した素材を全てそのままつなぎ合わせるだけだと、異常に尺の長い退屈な大容量データが完成します。
動画なら要所要所で区切る、静止画なら1枚10秒もかけずにせいぜい3秒、長くても5秒程度に抑えてテンポよく切り替えるのがベストです。
お使いの動画編集ソフトにスライドショー作成機能などがあれば、それを活用することで制作時間の時短に繋がります。
※スライドショー作成機能付きのソフト利用がおすすめです。
とはいえ、ここはセンスが問われるので、視聴者が見やすい映像制作を心がけてください。
可能なら、シーン毎のメニュー・チャプターをつけてあげれば親切かもしれません。
まとめ:超重要!ゴールを見誤らないように!!
迷える子羊さんにありがちなのが、良い作品にしたい一心でディティールまでこだわりすぎて、ゴールを見誤るケースです。
このような卒園・卒業記念作品は、決して編集者個人の自己満足で終わらせるべきではありません。
子ども達はもちろん、親御さんにとってもかけがえのない在園・在校時の思い出の映像であり、決して編集者のセンスや技術を見せつける場ではないのです。
派手なエフェクトを多用するより、シンプルなスライドショーで動画や静止画を繋ぎ合わせるだけでも十分ではないかとぼくは考えています。
以上、ざっくりとではありますが、迷える子羊さん向けに記事にしてみました。参考になれば幸いです。